3年前の写真で手がとまって
パソコンのドキュメントをハードドライブに保存していて、3年前の写真で手がとまった。
とても混乱していたからか、3年前から2年前にかけての一年間くらい、ときどき抜け落ちたように、よく考えないと思い出せないときがある。
この写真は、ちょうどその頃撮っていたもの。
当時、今と同じアパートの7Fに住んでいて、そこから眺める景色はわりと気に入っていて。
乾季には、ここも夜は10℃を下回るほど冷え込む頃、毎朝のベランダでけっこう冷たい風にあたりながら、少しずつ、長い間閉じていた自分の心の扉を、開けようとしていた。
まだ何かほとばしる様に書けるわけでなく、思い出したように数行、ペンをとるためにノートを置いて、寂しさにときどきスマホをのぞきながら、枝を忙しく行き来する白いリスや綺麗な羽でさえずりながら飛ぶ鳥たちを眺めていた。
今は、すぐ目の前に建てられた新しいホテルに遮られて、この景色はもう見えないことを思ったとき、時は一日として止まることがないことも、思い出していた。